2012年04月15日

白井亨と武道の真髄

合気道師範ブログで、白井亨のことについて触れてきました。私が白井亨のことを知ったのは『剣と禅』(大森曹玄著)が最初でした。白井亨については、『日本剣道史』(山田次朗吉著)に6頁にわたって記述があり、「寺田(宗有)、白井(亨)の如きは実に二百年来の名人として推賛の辞を惜しまぬ者であった」と書かれています。山田次朗吉の剣道家としての技量と彼の真っ正直な性格を考えると、これは書かれているとおりの賛辞であり、後世の剣の道を極めたいとする人達が目標にして良いのではないかと思います。

宮本武蔵が児小姓の前髪の結び目に飯粒を一粒つけて、刀で真っ二つにした話が残されていますが、これは、居合道の町井勲氏が水平に置かれたキヌサヤを二つに切ったり、果ては時速320 kmで飛んで来るBB弾(直径6 mm)を両断したりすることが出来ることを知り、実際に出来たこととして素直に受け取ることが出来ました。
弓道においても、『弓と禅』(オイゲン・ヘリゲル著)に書かれている阿波研造の暗闇の中で的を射た話があり、このようなことから日本武道の奥深さを知らされます。

町井勲氏の妙技については、まだ動体視力で理解しようとする人がいるようですが、阿波研造のことも含め、気の世界でいう同根一体の境地に至らなければ身につかないと私は思います。この境地に立つのが心法の武道になると思います。合気道では、多田宏師範がこの心法を強調されています。

針ヶ谷夕雲の無住心剣術も白井亨の天真伝兵法(天真白井流)も、心法の剣といわれ、継承が極めて難しく、今はそれを伝える人がいない状態ですが、無住心剣術については、『極意の解明』(近藤孝洋著)が気の面から読み解かれていて、目が開かれる思いがします。白井亨や彼の著書については、『剣の精神誌』(甲野善紀著)に「白井亨は無住心剣術を再興したか」と題して60頁にわたり詳しく紹介されていて、これも大変参考になります。

3月17日に、もう一度開祖のおっしゃられていること(心法の世界)に素直に向き合わなければならないという気持ちになっていたところ、3月24日に白井亨を研究されている方に出会い、4月7日に白井亨の著書のコピーをいただきました。これは与えられた機会だと思いますので、白井亨をもっと深く研究してみようと思います。
剣道は専門外ですが、白井亨の著書には開祖と同じ境地の話が述べられていると思います。そこで、合気道という立場から白井亨の世界に踏み入り、それにより開祖が言われていることをもっと理解したいと願って、新たなブログを開きました。

カテゴリの「日記」には、その折々の感想や全般的な解説を述べ、「白井亨の著書」に彼の著書を現代風に読みやすくしたものとその概要を述べます。これには、白井亨の言葉を分かりやすい形で残そうとする意図もあります。そして、「白井亨の世界」で、彼の著書を通して開祖の道文の内容をもっと深く掘り下げ、鍛錬に生かしたいと考えています。
ブログなので、時系列的にも脈絡を持たせて、通して読んでも理解出来るようにしたいと思いますが、著書については、読み解けた分を順次載せることになると思います。

白井亨は、生年が1783年で、開祖とは丁度100年の隔たりがあります。江戸時代後期の人物で、著書は現代人でも比較的分かる書き方がされています。これは、問われれば丁寧に教えるという彼の性格によるところも大いにあると思います。

白井亨の著書は、『明道論』が早稲田大学蔵書 http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko01/bunko01_01891/bunko01_01891.pdf で公開されている他、多くは富山県立図書館 http://www.lib.pref.toyama.jp/gallery/collection/top.aspx が公開しています。このURLから → 江戸時代の越中 → 古文書 → 宗教・芸術・文化 → 武道・兵学と辿れば、次の著書を見ることができます。
『天真白井流兵法真剣拂捨刀之巻』『天真白井流兵法神妙録』『天真白井流兵法譬咄留』『天真白井流兵法遣并記録』『天真傳一刀流兵法』『天真傳白井流兵法真剣遣方』『天真傳白井流兵法遣方』『天真傳白井流兵法遣方留』『天真傳白井流兵天真録』『兵法至途宇乃千利』『兵法未知志留辺』『兵法未知志留辺拾遺』

なお、このブログは、八千代合気会、八千代市合気道連盟、千葉県合気道連盟など、私が活動しているごく限られた範囲内の人を対象にしており、ご質問があれば、直接、顔を合わせてお聞きすることを前提にしていますので、特に通信欄は設けません。(八千代市合気道連盟会長 乾 泰夫)
posted by 八千代合気会 乾 at 07:33| 日記